ヒラシュモクザメ
Sphyrna mokarran
和名 | ヒラシュモクザメ (平撞木鮫) |
英名 | Great Hammerhead |
学名 | Sphyrna mokarran (Rüppell, 1837) |
目 | メジロザメ目 (Carcharhiniformes) |
科 | シュモクザメ科 (Sphyrnidae) |
属 | シュモクザメ属 (Sphyrna) |
保全状況 | CR(Critically Endangered) - 近絶滅種 |
By Albert kok - Own work, CC BY-SA 4.0, Link
説明
ヒラシュモクザメはシュモクザメ科に属するサメの一種。シュモクザメ科としては最大。
ハンマー型の頭部(”cephalofoil”)の前縁が直線になることが特徴。
潜在的に人に対して危険ではあるが、実際の攻撃例は少ない。
分布
水深:0m ~ 300m
全世界の熱帯沿岸。(北緯40°~南緯37°)
日本での分布
関東以南の沿岸
特徴
体は流線型。シュモクザメに典型的な長く伸びたcephalofoilを持つ。
成体のcephalofoilは前縁がほとんど直線で、内側と外側に明瞭な窪みがあり、前縁が弧を描いているアカシュモクザメやシロシュモクザメとはこの点で区別できる。
歯は三角形で強い鋸歯を持ち、口角に向かうほど傾く。
片側の歯列は、上顎で17、下顎で16-17。顎の中央には、上顎に2-3、下顎に1-3の正中歯列がある。
第一背鰭は独特で、強い鎌型で非常に高さがあり、胸鰭の基底の上に位置する。
第二背鰭と臀鰭は比較的大きく、後縁には深い欠刻がある。
腹鰭は鎌型で後縁は凹み、後縁が直線のアカシュモクザメと区別することができる。
皮膚は互いに近接した皮歯で覆われる。
各皮歯は菱形で、小型個体では3–5本、大型個体では5–6本の水平隆起が後縁の鋸歯に向かって走る。
背面は暗褐色から緑褐色、灰白色。腹面に向かうに連れて次第に白くなる。
成体では鰭に模様はないが、幼体の第二背鰭の先端には黒い模様があることがある。
平均して3.5 m、230 kgになる。
生態
世代: 23.7 ~ 24.8年サンゴ礁を好むが、大陸棚上・海底段丘・礁湖・陸に近い深みにも生息する。
回遊を行い、フロリダや南シナ海の個体群は夏になると高緯度に移動することが記録されている。
単独性の頂点捕食者で、甲殻類・頭足類や硬骨魚・軟骨魚など様々な動物を食べる。特にアカエイ科を好み、ハンマー型の頭部で押さえつけて捕食する姿が観察されている。
共食いもする。
一般的な寿命は20-30年。
繁殖
胎生。雌は2年に1回、北半球では晩春から夏、オーストラリアでは12-1月に出産する。
妊娠期間は11ヶ月。産仔数は6–55(典型的には20–40)
出生時は50–70 cm。雄は2.3–2.8 m・51 kg、雌は2.5–3.0 m・41 kgで性成熟する。
ほとんどのサメは海底近くで交尾を行うが、本種は海面で交尾を行うと考えられる。
利用
フカヒレなどを目的に大量に漁獲されている。鮫皮・肝油・魚粉としても利用される。
海外ではジョージア水族館、アトランティス水族館、アドベンチャー水族館での飼育が知られている。
出典
(最終更新 2021年05月16日)