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トラフザメ
Stegostoma tigrinum

和名 トラフザメ (虎斑鮫)
英名 Zebra Shark
学名 Stegostoma tigrinum (Forster, 1781)
テンジクザメ目 (Orectolobiformes)
トラフザメ科 (Stegostomidae)
トラフザメ属 (Stegostoma)
保全状況 EN(Endangered) - 絶滅危惧種
By Sigmund from Norway - Leopard shark, CC BY 2.0, Link

説明

トラフザメは、テンジクザメ目に属するサメの一種。
生体と幼体で大きく外見が異なり、かつては違うサメであると考えられていた。
人に無害で飼育もしやすい。

Stegostoma fasciatum

分布



水深:0m ~ 62m
インド太平洋の熱帯に分布する。
南アフリカから紅海・ペルシャ湾(マダガスカル・モルディブを含む)・インド・東南アジア (インドネシア・フィリピン・パラオを含む)、北は台湾・日本まで、東はニューカレドニア・トンガまで、南はオーストラリア北部までで確認されている。

日本での分布

特徴

円筒形のどっしりとした体、大きくて少し平たい頭、短く丸い吻、小さい眼。
鼻孔には短い髭があり、鼻孔から口まで続く溝がある。口はほぼ直線。
成魚の体には5列の隆起線がある。
第一背鰭は第二背鰭の2倍程度の大きさ。胸鰭は大きくて幅広い。腹鰭・臀鰭はそれより小さいが、第二背鰭よりは大きい。
尾鰭は体と同じくらい長い。尾鰭の下葉は小さく、上葉の先端には大きな欠刻がある。

幼魚は背側が暗褐色、腹側が淡黄色で、黄色い横縞、斑点がある。
50-90cmまで成長すると黒い部分が縮小を始め、ヒョウ柄模様に変化してゆく。

成体の模様は個体ごとに差があり、個体識別に用いることができる。

生態

世代: 17 ~ 0年

底生。潮間帯から水深62 m程度の大陸棚の上に生息する。
成体、大型の幼体はよくサンゴ礁・礫底・砂底で見られる。
外洋を渡って別の島や海山に移動することもある。

日中は不活発で海底で休息しており、夜間や餌があるときは活発になる。
泳ぎは素早くて力強く、体と尾鰭をウナギのようにうねらせることで推進する。
一定の流れがある場所では、尾鰭をうねらせることで水中に浮かぶことができる。

餌は主に貝類、甲殻類、小さな硬骨魚など。

通常は単独でいるが、20-50匹の群れを作ることも記録されているが、群れ内での交尾行動は観察されておらず、このような群れを作る目的は不明。

繁殖

卵生。卵鞘は暗褐色から紫で、17cm×8cm×5cm程度の大きさ。側面から細い繊維が生える。この繊維には粘着性があり、雌は岩礁の垂直な壁に卵を固定する。

雄は1.5-1.8 m、雌は1.7mで性成熟する。

雌が無性生殖した報告が1例ある。

利用

分布域のほとんどにおいて商業漁業の対象となっており、底引き網・刺し網・延縄などで漁獲される。
肉は干物・塩漬けで消費され、肝油からはビタミン、鰭はフカヒレ、あらは魚粉とされる。

飼育は容易で、世界中の多くの水族館で見られる。
ダイバーに人気があり、人に慣れ、餌付けされて触ることのできる個体もいる。

出典



(最終更新 2021年04月29日)