ネムリブカ
Triaenodon obesus
和名 | ネムリブカ (眠鱶) |
英名 | Whitetip Reef Shark |
学名 | Triaenodon obesus (Rüppell, 1837) |
目 | メジロザメ目 (Carcharhiniformes) |
科 | メジロザメ科 (Carcharhinidae) |
属 | ネムリブカ属 (Triaenodon) |
保全状況 | VU(Vulnerable) - 危急種 |
By Unknown author - http://www.magazine.noaa.gov/stories/mag203.htm, Public Domain, Link
説明
メジロザメ科に属するサメの一種。メジロザメ類には珍しく、泳がなくとも呼吸することができる。日中は洞窟内で休むが、夜には集団で岩やサンゴの隙間を這い進んで探索し、硬骨魚・甲殻類・タコを捕食する。棲家をあまり移動せず、数年間に渡って同じ場所で休息する。
日中のほとんどを眠っているように休んでいることから「ネムリブカ」という名がつけられた。
エコツーリズムの対象として適しており、慣れればダイバーの手からも餌を食べる。
分布
水深:0m ~ 330m
中西部太平洋、インド洋の熱帯から亜熱帯海域、ガラパゴス諸島や中央アメリカ太平洋岸に分布する。
ほぼサンゴ礁にのみ生息する。垂直の地形に近いサンゴの頂部や岩棚に多いが、砂地・礁湖・ドロップオフの近くでも見られる。澄んだ水を好み、水底から離れることは少ない。深度8-40mに最も多い。稀に1mより浅い場所に入ることもあり、琉球諸島では水深330mから得られたこともある。
日本での分布
琉球諸島
特徴
小型で最大1.6m程度。体は細く、頭部は幅広く短い。吻は平たくて鈍く、鼻孔には管状に巻いた大きな前鼻弁がある。
眼は小さく楕円形で、瞳孔は垂直に開く。眼の上には明瞭な隆起線があり、その後方にはよく小さな凹みがある。口は下向きに傾斜し、本種独特の"表情"を作り出している。口角には短い唇褶がある。
背面は灰色から褐色、腹面は白で、体には個体ごとに異なる小さな暗点が散らばる。第一背鰭と尾鰭上葉の先端は明るい白である。第二背鰭と尾鰭下葉も同様に白くなることがある。
生態
世代: 約12.3年ツマグロ・オグロメジロザメと並び、インド太平洋のサンゴ礁で最もよく見られるサメの一つ。
他のメジロザメ類と異なり、水底で静止していても鰓に水を出し入れして呼吸することができる。
夜間や、潮の流れが止まる憩流時に最も活発になり、一日の大部分は洞窟内で、単独か小さい群れで、平行に並ぶか積み重なった状態で休息している。
繁殖
胎生で、2年毎に1-6匹の仔を産む。妊娠期間は10-13ヶ月。生涯に平均で12匹を出産する。単為生殖によって仔が生まれた記録がある。
利用
延縄・刺し網・トロール網を用いて捕獲される。肉と肝臓は食用とされるが、シガテラ毒を含むことがあり、特に肝臓は毒量が多い。出典
(最終更新 2021年03月07日)